第65回 読書会「本と旅人」開催報告

2025年9月21日(日)に神田のカフェ「COLAZIONE VARIO」で第65回目の読書会を開催しました。
今回は秋らしく「星✨・月🌙・夜🌃」というテーマにまつわる本を皆さんに紹介していただきました!
今回は24名の参加でした(うち、初参加は3名でした)。
今回も多くの方にご参加いただき、ありがとうございました!
もくじ
本日紹介された本
小説、エッセイ、実用書など、いろいろなジャンルの本が紹介されました。

以下、運営のテーブルで紹介された本の一部をご紹介します。
十五夜お月さん 本居長世 人と作品│金田一春彦
童謡の作曲家である本居長世の伝記で、著者は実際に本居長世に一時期弟子入りしていた言語学者である金田一 春彦。
本居長世は、今でも有名な童謡である「七つの子」や「赤い靴」の作曲家で、本作品のタイトルにもなっている「十五夜お月さん」も彼の童謡作品の一つです。
この伝記は、後世の人間が後から書いたものではなく、同時代の本人と関わったひとでしか書けない伝記になっているそうです。
本居長世に対する敬意と親しみから、時に辛辣さも感じられるところが面白いとのことでした。
巻末には楽譜も収録されているそうです。
美しい星│三島由紀夫
三島由紀夫のSF小説。
ある日突然ひとつの家族が自分は異星人だったと自覚するところから始まるストーリー。
父、母、娘、息子がそれぞれ違う星に帰りたいけれど、帰る術がなく地球人に擬態して一家で生活している設定。
みんな宇宙人であることに選民思想を抱いており地球人を見下しているそうです。
まだ読んでいる途中とのことで、都合の悪いことの言い訳に宇宙人をつかっているのでは?と思いながら読み進めているとのことでした。
三島由紀夫がこんな話も書いてるんだ!と驚きながら、やっぱり文章の美しさに惹かれると仰っていました。
つむじ風食堂の夜│吉田篤弘
表紙のデザインに⭐という「星✨」マーク、月船町という「月🌙」が入った町が舞台で、タイトルに「夜🌃」が入っている作品なので、今回のテーマをコンプリートしていると思い紹介してくれました。
この作品は月船町シリーズの1冊目で、毎晩住民たちが夕食を食べに来る、町の食堂が舞台。
主人公は引っ越してきたばかりの男性で、特に何も起こらない日常系群像劇とのことです。
おしゃれな雰囲気や空気感が好きで、やさしいきもちになれると仰っていました。
紹介者の方は吉田篤弘さんの作品はほぼ全部読んでいるほど吉田さんの大ファンで、中でもこの本の表紙に惹かれて手に取ったことが吉田さんの作品との出会いとのことでした。
ちなみに、この表紙も吉田さんが装丁をデザインされているそうです。
夜と霧│ヴィクトール・フランクル
ユダヤ人としてアウシュヴィッツに送られた著者が記した本。
著者が心理学者という研究者であったことも背景にあり、収容所という劣悪な環境下でもそれを俯瞰して淡々と記されているそうです。
紹介された方は、もうすぐ死んでしまいそうな人を見分けるエピソードが印象的だったと仰っていました。
旧版では第二次世界大戦について写真付きで説明してくれているので、世界史に詳しくない人は是非旧版を、とのことです。
ただ、新訳の方が読み易いため、どちらも買うことをおすすめされていました。
人生で一度は読んでほしい名作です。
本日のハイライト
運営メンバーのテーブルで、フリートーク中や本の紹介の流れで話題になったトピックなどを一部紹介します。
ママさんトーク
同じテーブルになった女性お二人に、ちょうど同い年のお子さんがいることが発覚し、そこからママさんトークで盛り上がりました。
私含め他のメンバは男性や結婚前の女性だったので、普段はなかなか聞くことが出来ないママの本音に興味津々で貴重なひと時でした。
日々お仕事や家事、そして子育てもしながら、趣味の読書会にまで足を運んでいる方々には頭が上がりません!
創作について
最近、本と旅人でも文学フリマに向けて創作活動(小説の執筆や短歌など)を行っていることもあり、めずらしく読書ではなく作品を創る話で盛り上がりました。
アイデアが思いつくのはどういう時か、どういった風に作品を組み立てていくのか、〆切に追われる辛さなどなど、リアルな状況を共有できて面白かったです!
参加された方の感想
参加後の感想を一部掲載します。
アンケートにご協力いただき、ありがとうございました!
月や星、夜という主題が好きなのでそれらにまつわる本の話がたくさん聞けて楽しかったです。
29歳女性
テーマに対してのみなさんの選書(選球眼)が個性あって楽しかったです!
32歳女性
好きな作者が同じ方と出会えて嬉しかったです。
25歳男性
読書会後のランチ

いつもどおり読書会後は、そのままCOLAZIONE VARIOでランチをしました。
20名の方に参加していただきました。
トマトソースの濃厚なパスタに、おかわりする手が止まりませんでした!
いつも美味しい料理ありがとうございます〜