第59回 読書会「本と旅人」開催報告

2025年8月3日(日)に神田の「COLAZIONE VARIO」で59回目の読書会を開催しました。
今回は26名の参加でした(うち、初参加は7名でした)。
今回も多くの方にご参加いただき、ありがとうございました!
もくじ
本日紹介された本
小説、エッセイ、実用書など、いろいろなジャンルの本が紹介されました。

以下、運営のテーブルで紹介された本の一部をご紹介します。
チョンキンマンションのボスは知っている| 小川 さやか
文化人類学者の作者が、香港・チョンキンマンションに住み込み、タンザニア人商人たちの非公式な交易・互助ネットワークを観察したルポルタージュです。
自称「ボス」のカラマという人物を中心に、「ついで」を起点とする助け合いと、「信頼しないけれど信頼する」という不思議な信用構造でできているタンザニア人のネットワークが描かれています。
タンザニア人の「ついでにやる」や「その場その場の信頼関係」という国民性を知ることができて興味深い内容だったそうです。
また、長期的な将来を見据えた信頼関係の構築とは正反対だったのが面白かったそうです。
砂嵐に星屑| 一穂 ミチ
大阪にある地方テレビ局を舞台に、世代も立場も異なる人たちの仕事と人生を描いた連作短編集です。
職場のキラキラしていて、リアル感のある描写が多くとても気に入ったみたいです。
紹介者は、社会人になって仕事と社会に対する解像度が上がった状態でこの本を読んで、より胸にしみたとのことです。
また、大阪のエリアの話なども描かれていて、その地域特有の面白い情報も得られたようです。
戦争と一人の女| 坂口 安吾、近藤 ようこ
太平洋戦争末期の東京を舞台に、日常を喪失した中で刹那的な生活を送る一組の男女の姿を描いた漫画です。
坂口安吾の小説を漫画化したもののようです。
その女性は「戦争は美しい、平和をなぜ愛す必要があるのか」といったような考えを持っているようで、戦争を一種の陶酔として受け入れているみたいです。
彼女には、戦争によって日本が終わってしまうような事態を絶望しているような雰囲気はなく、ただただ終わりを享受しているような姿勢で、それが心に残ったとのことです。
また紹介者は、最近できた『宇野書店』という本屋でこの本を買って、思い入れがあるようです。
ピーナッツ全集 22: スヌーピー1993~1994| チャールズ・M・シュルツ
スヌーピーで有名なチャールズ・M・シュルツが1993‑94年に描いた新聞連載版の漫画を収録したものです。
全26巻中22巻目を持ってきてくださいました。
はっきりとしたあらすじがあるようなものではないですが、なんか読んでいて居心地よくなれる感覚が楽しかったとのことです。
自分にしかない感性でこの作品を読めている、という感覚を持てるようでお気に入りの物語だったみたいです。
また、翻訳は谷川俊太郎さんらしく、独特の感性がある言葉遣いで魅力たっぷりとのことです。
参加された方の感想
参加後の感想を一部掲載します。
アンケートにご協力いただき、ありがとうございました!
初めての参加で不安でしたが、周りの方が話を広げてくださったので楽しく過ごせました。また、自分では手に取らない作品を知れました。
28歳女性
本を紹介したり、語り合ったりする機会をいただけたので、とても満足しています!
24歳女性
同世代の読書仲間と出会えた。
23歳男性
読書会後のランチ

いつもどおり読書会後は、そのままCOLAZIONE VARIOでランチをしました。
20名の方に参加していただきました。
生ハムなどが盛られたサラダがとてもおいしく人気で、一瞬で平らげられていました!
いつも美味しい料理ありがとうございます〜