第33 回 読書会「本と旅人」開催報告

2024年10月20日(日)に神田のカフェ「COLAZIONE VARIO」で33回目の読書会を開催しました。

今回は24名の参加でした(うち、初参加は6名でした)。

今回も多くの方にご参加いただき、ありがとうございました!

本日紹介された本

小説、実用書、エッセイ、パンフレットなど、いろいろなジャンルの本が紹介されました。

以下、運営のテーブルで紹介された本の一部をご紹介します。

星が人を愛すことなかれ | 斜線堂有紀

人気地下アイドルグループのメンバーの「恋」や「生」が描かれた小説。

彼氏のアイドル趣味やアイドルの生活を切り売りしている現状、ファンとのスキャンダルの問題が起こる物語のようです。

生々しい話も多く、読み応えがあるとのことでした。

また、コロナを経て「推し」という言葉の捉えられ方が変わり、より軽いものになってきたという話もあがりました。

10月27日(日)はこの読書会で『推し、燃ゆ』の課題読書会が行われるので、読書の欲がどんどん湧いてきました。

金融版 悪魔の辞典 | ジェイソン・ツバイク

金融業界の言葉について、業界人の本音込みで説明された辞典です。

言葉の使用例などの記載されており、面白かったようです。

裏に潜んだ現実が皮肉めいて描かれており、紹介者は金融関係の仕事ではなかったようですが、とても引きこまれたとのことです。

でも難しい言葉も多い故、本の紹介がしにくかったとのこと。

ちなみに紹介者は、自分が浮かれているときや傲慢になってしまった時にこの本を読み落ち込むことで、ニュートラルな気分にすることが多いとのことで、そんな読み方もあるんだなと気付かされました。

蛇にピアス | 金原ひとみ

「スプリットタン」という二つに分かれた舌を持つ男との出会いをきっかけとして、タトゥーを入れたりピアスを開けていくことにはまっていく女性の物語。

芥川賞受賞作です。

紹介者曰く、主人公には全然共感できなかったが描かれている描写が切なく、おもしろかったとのことです。

何のために身体に変化を加えていくのか、、という主人公の意図や生き様を考えさせられる作品のようです。

私も読みましたが、文庫版の村上龍の解説がべらぼうに面白いので、必読です。

ムハマド・ユヌス自伝 | ムハマド・ユヌス

ノーベル平和賞を受賞した、チッタゴン大学経済学部長を務めるムハマド・ユヌスの自伝です。

貧しい人に少額貸し付けを行う仕組みを作った人で、紹介者は、必要な人にお金が行き届かない現実を打破しようとする彼の姿勢にかっこよさを覚えたようです。

ただの金貸しじゃない、つながりを担保にした仕組みもあるんだなと気付かされたみたいです。

ただ、やっていることはヤクザと変わらないのという批判もあるということは受け止めなければならない、という話もでて、勉強になりました。

罪と罰 | ドストエフスキー

ロシアの文豪ドストエフスキーの長編小説です。

紹介者はこの本の存在を小学生のときに知ったようで、それから時が経ち、大学時代のゼミの教授がおすすめしたから読んだそうです。

何度も読み返してしまうくらい深みのある作品で、読んでないときにも物語のことを考えてしまうくらい魅力的だとのこと。

主人公は、基本的にはいいやつだが、どこかこじらせてしまっているような性格だそうで、考察のしがいがあるようです。

ハイパーたいくつ | 松田いりの

文芸誌『文藝』で賞を取った新人の作品です。

会社で経理ミス(取引先に誤って1000倍のお金を振り込む失敗)をしてから、会社では疎まれるようになってしまった主人公の心が描かれた物語です。

大きなストーリーはないようですが、ディティールの一つ一つの威力が半端じゃなく、意味不明な展開にずっと殴られっぱなしだったそうです。

ちなみにこの作品は、podcast番組である『奇奇怪怪』で紹介されており、読むに至ったみたいです。

本日のハイライト

運営メンバーのテーブルで、フリートーク中や本の紹介の流れで話題になったトピックを一部紹介します。

本を読むときの楽しみ方

読書の楽しみ方は人それぞれあると思いますが、どのような楽しみ方があるかを話しました。

・物語の展開を追うこと、また予測すること

・登場人物に共感したり、自己を投影すること

・情景描写を頭の中で再生する

など様々あり、もっといろんな本の読み方を知りたいなと思いました。

名作の紹介は緊張する

罪と罰など、いわゆる文豪が書いた名作を紹介するとき、自分の誤った読み方が露呈するかと思い、緊張するという話がありました。

確かに紹介しようとする本が普及されていればいるほど話は広がりますが、場合によっては自分の読みの浅さがばれてしまうかもしれません、、

逆に、そこまで読まれてなさそうな本や新人作家の本は、好きなだけ自分の感想が言い放題だなとも感じました。

参加された方の感想

参加後の感想を一部掲載します。
アンケートにご協力いただき、ありがとうございました!

とても楽しかったです。普段職場にしか交流がないのでネットワーキングが嬉しいです。

26歳女性

本から派生したお話もあって楽しかったです!

24歳女性

色々な方と話せて、本もしれて楽しかったです!

女性

読書会後のランチ

いつもどおり読書会後にそのままカフェでランチをしました。

18名の方がランチに参加してくれました!

毎度ラインナップが変わるパンの種類に、食べる前から楽しみが隠しきれませんでした。。

いつも美味しい料理ありがとうございます〜!