第29回 読書会「本と旅人」開催報告

2024年8月25日(日)に神田のカフェ「COLAZIONE VARIO」で29回目の読書会を開催しました。

今回は24名の参加でした(うち、初参加は10名でした)。

今回も多くの方にご参加いただき、ありがとうございました!

本日紹介された本

小説、実用書、エッセイ、詩集など、いろいろなジャンルの本が紹介されました。

以下、運営のテーブルで紹介された本の一部をご紹介します。

プロジェクト・ヘイル・メアリー | アンディ・ウィアー

記憶をなくした主人公が記憶を取り戻しながら人類滅亡の危機に立ち向かう宇宙SFです。

主人公は次々と直面する困難を実験によって乗り越えていきます。そして記憶を取り戻しながら自分が宇宙にいる目的を理解していくというストーリーの宇宙SFです。

科学に携わる仕事をしている紹介者の方は、
「僕は科学が好きだ。ささやかな実験だがわくわくした」
と自分の名前より先に科学が好きだということを思い出した主人公にロマンを感じたそうです。

「ネタバレは絶対したくないから細かくは紹介できないけど、本当に面白いから読んでほしい」
とおっしゃっていました。

たやすみなさい | 岡野大嗣 

現代短歌集です。

日常のさりげない場面を切り抜いた優しい雰囲気の短歌が多いそうです。

紹介者の方は、情景が浮かびやすいところが好きとおっしゃっていました。

作品の中には、パソコンの入力画面やLINEのやり取りを模した配置で短歌が書かれているものもありました。

短歌は文字から情景を想像するものだという固定観念がありましたが、紙面を自由に使って視覚的にも情報とインパクトを与えるという発想に驚かされました。

正欲 | 朝井リョウ

多様性をテーマにした小説。
特殊な性質を持つ人たちが出会い、かかわりを持つというストーリーです。

紹介者の方は、
「自分がマイノリティでいるのはつらい、一人でいたくないと思う登場人物たちの心情や行動に考えされられた。
大団円かと思いきや誰も救われない終わり方が面白かった」
とおっしゃっていました。

他の方からは、
「ハッピーエンドで終わってほしくなかったからこれでいい」
という意見もありました。

もう怒りで失敗しない! アンガーマネジメント見るだけノート | 安藤 俊介

怒りのメカニズムを理解して、アンガーマネジメントができるようになろうという内容です。

怒りと上手く付き合うために知っておくべきは以下の二つだそうです。

  • 人間はコアビリーフ(ゆずれない価値観)を持ち、それが侵害されると怒りを覚えます。
  • 6秒待つことで怒りの原因が分かる。

急に怒りを覚えたときは、冷静に6秒待つと、自分が何に怒っているのか、また本当に怒るべきなのか抑えるべきなのか判断できるそうです。

円滑な人間関係を維持するために、身に着けておきたい技術ですね。

経営の哲学 | P.F.ドラッカー

「マネジメントの父」ドラッカーの名言集。

「強みを発揮させ、弱みを無意味にする」
という言葉が心に残ったと紹介者の方はおっしゃっていました。

学生時代はどの科目もまんべんなくできることが求められ、苦手は潰すようにと教育されましたが、社会ではそうでない。
得意なことを伸ばせば苦手なことは問題にならなくなる。
そんな学びがあったそうです。

経済学の比較優位の考え方をマネジメント分野の視点から表現した重要な言葉だと感じました。

かもめ食堂 | 群 ようこ

フィンランドで日本料理屋「かもめ食堂」を営む日本人女性の物語です。
主人公が日本を飛び出してフィンランドに行くきっかけや、食堂での出来事が面白く描かれているそうです。

お客さんを増やすためにアイデアを出したり、不人気の昆布とおかかのおにぎりをなんとか売ろうとしたりという日常の描写が好きとおっしゃっていました。

2006年に映画化もされており、そちらも気になります。

渡辺錠太郎伝 | 岩井 秀一郎

二・二六事件で暗殺された渡辺錠太郎の生涯と思想を描いた伝記。

学者将軍と呼ばれた渡部は、冷静に日本の国力を分析した結果、むやみに戦争をしてはいけないと考えて非戦思想を持つようになったそうです。

娘の渡辺和子や、首謀者の家族への取材もあり、様々な角度から渡辺錠太郎という人物を理解できるそうです。

また、渡辺の読書家としての行動も記されています。
紹介者の方は、大量に書き込みをしたり、厚い本を分割して持ち歩いたりしていたという読書への徹底した姿勢に驚いたとおっしゃっていました。

限りなく透明に近いブルー | 村上 龍

若い男女のグループの荒れ果てた生活を描いた小説。

紹介者の方曰く、エロとグロが9割を占めてきつい描写が多いため、耐性がない方は注意が必要だそうです。

最後には「限りなく透明に近いブルー」に近づいていきますが、タイトルから想像するイメージとはかけ離れているそうです。

内容は衝撃的だったが、日常生活で関わることのない人たちの価値観に触れられたことは有意義だったとおっしゃっていました。

ネタバレを避けながら紹介してくださったので、非常に読んでみたくなりました。

本日のハイライト

運営メンバーのテーブルで、フリートーク中や本の紹介の流れで話題になったトピックを一部紹介します。

戯曲

戯曲って慣れないと難しいという話題が上がりました。

  • 読みやすいと言われている翻訳で読んでみる
  • 解説を読んでからもう一度読んでみる
  • 比較的読みやすい作品から挑戦してみる

などしてみると少しずつ慣れてくると思います。

運営は以前、参加者の方にシェイクスピアはハムレットから読むと入りやすいとアドバイスをもらって、無事ハマりました!

運動

読書会に参加する方は文化系の方が多いのですが、意外と何かしらの運動をしていること分かって驚きました!

運営が参加したテーブルでは

  • サーフィン
  • バスケットボール
  • ランニング
  • ヨガ
  • 格闘技

などをやっている人がいました!

インスタ交換

インスタとかX(旧Twitter)って使ってる?という話で盛り上がりました。

ほぼ全員が情報収集や記録用に使っているという回答でした。

同じテーブルの人たちとインスタの交換もしました!
キラキラしてる投稿ばかりでまぶしかったです。

本と旅人のInstagram本と旅人のX(旧Twitter)のフォローもよろしくお願いいたします!
最近、読了ツイートを投稿していますのでぜひチェックしてみてください!

参加された方の感想

参加後の感想を一部掲載します。
アンケートにご協力いただき、ありがとうございました!

一つのテーブルの中で様々なジャンルの本が集まり、頭を色々な方向に働かせることができて新鮮だった。

29歳女性

知らなかった本を知れたり、初めての方とお話しできたので楽しかったです😊

26歳女性

他の方の本紹介を聞くのも、面白かった本をおすすめできたのも、楽しかったです!

33歳男性

ネットミームに関する所見など、面白いお話を聞くことができました。

30歳男性

運営とは別のテーブルでしたが、ランチの時に非常に盛り上がっていました!
詳細が気になります…!

読書会後のランチ

いつもどおり読書会後にそのままカフェでランチをしました。

22名の方がランチに参加してくれました!

いつも様々な種類のパンを焼いてくださるのですが、どれもおいしかったです!
今回は特にあんぱんが大人気でした!

いつもありがとうございます〜!