第24回 読書会「本と旅人」開催報告

2024年6月23日(日)に神田のカフェ「COLAZIONE VARIO」で24 回目の読書会を開催しました。

今回は23名の参加でした(うち、初参加は7名でした)。

今回も多くの方にご参加いただき、ありがとうございました!

本日紹介された本

小説、実用書、エッセイ、短歌集など、いろいろなジャンルの本が紹介されました。

以下、運営のテーブルで紹介された本の一部をご紹介します。

流浪地球 | 劉慈

SF短編集です。
紹介者の方が特におすすめする『呪い5・0』について詳しく紹介してくださいました。

最初はほんのいたずらのような作用しか持たなかったコンピュータウイルスの「呪い1・0」が、様々な人々によって「呪い5・0」までアップデートされていくにつれて、殺戮性を増していくというストーリーです。

あらすじだけ聞くと恐ろしいですが、ウイルスの進化の仕方が面白く、ドタバタコメディのような話になっているそうです。

芸術的な殺害方法をプログラミングするブームが発生するシーンからコメディチックになっていくようで、普通では思いつかないような改良が繰り返されて盛り上がっていくそうです。

紹介者の方は、
「もはや大喜利のようだった」
とおっしゃっていました。

ここはすべての夜明けまえ | 間宮改衣

ハヤカワSFコンテストの特別賞受賞作で作者のデビュー作です。

サイボーグ化手術を受けて、不死身となった主人公が家族史を綴る話です。

SFの枠組みを借りながら、人間的な問題の深いところについて言及している作品で、いびつな親子関係も語られるそうです。

ひらがなが多く、しゃべり口調の独特な文体で書かれており、その不思議な雰囲気も魅力的だったそうです。
読み手は選ぶかもしれないが、惹きつけられると一気に読めてしまうような作品だとおっしゃっていました。

紹介者の方は読後感を「心地よい気持ち悪さ」と表現していました。

人質の朗読会 | 小川 洋子

ハイジャックに遭った人質たちが、亡くなる前にそれぞれの人生の何気ない瞬間を語るという小説です。

人生の重要な出来事ではなく、ふとした出来事が淡々と語られるのが重要で、それによって切なさや怖さが浮き彫りになってくる感じが好きだったそうです。

紹介者の方は、
「ずっと壁に背筋を付けていたくなるような怖い話だった」
とおっしゃっていました。

ラブカは静かに弓を持つ | 安壇 美緒

チェロ教室の著作権法違反の証拠を得るために、主人公が生徒として通いながら潜入調査をする物語です。

2年間の潜入調査の中で、主人公と先生は次第に打ち解けていきます。また、元々チェロの経験が主人公が、演奏への情熱を取り戻していく様子も描かれており、主人公に共感せずにはいられない作品だそうです。

紹介者の方は、
「音楽教室に情を持ちながらも、スパイとしての活動を続ける主人公の苦しさが伝わってきた。
自分なら嘘をつけない」
とおっしゃっていました。

主人公の正体が先生にバレた後の展開が非常に面白いそうです。

怖い間取り | 松原 タニシ

売れない芸人だった著者が、生活費を稼ぐためにバイトとして事故物件に住んだ時の様子を綴ったノンフィクション作品です。

いろいろな間取りの家で経験した怖いエピソードが多数紹介されていて、短い時間でヒヤッとしたいときにおすすめとのことです。

紹介者の方は、
「フィクションとはまた違った怖さを楽しめて面白い」
とおっしゃっていました。

「確かに間取りや家自体に恐怖を感じることがある」と気づいた参加者の方もいたようです。

死刑執行人サンソン ―国王ルイ十六世の首を刎ねた男 | 安達 正勝

フランス革命期の処刑人シャルル=アンリ・サンソンの半生と当時の処刑について解説している新書です。

サンソン家は死刑執行人として代々国王に仕えていたが、4代目当主のシャルル=アンリ・サンソンは自らの手で国王を処刑することになったという数奇な人生が描かれています。

死刑執行人という特殊な家系のため、市民からは疎まれていたが、国王からは特別な待遇を受けていた、というサンソンの生活を知ることができるそうです。

紹介者の方は、
「サンソンは日記の残した日記から、処刑人としての誇りや葛藤を感じることができて、死刑執行人の感情に触れることができたのが新鮮だった」
とおっしゃっていました。

また、紹介者の方は、イノサンというフランス革命期の死刑執行人が主人公の漫画を読んでおり、そこにもサンソンが登場したので、作品間の共通点を見つけながら楽しめたそうです。

スマホ脳 | アンデシュ・ハンセン

精神科医のアンデシュ・ハンセンによる、スマートフォンが人間に与える影響について解説した新書です。

集中力低下、睡眠不足、学力低下などがスマートフォンによって実際に引き起こされるという研究成果を示すだけでなく、それらがなぜ引き起こされるのかまで解説されています。

スマホの魅力は非常に強力で、スマホをポケットに入れておくだけでも集中力が低下するという実験結果が印象的でした。

スマホ依存の対策としては、運動やスクリーンタイムの制限、物理的な隔離などが挙げられていました。

スマホをなるべく使わない工夫について話が盛り上がり、

  • スクリーンタイムを毎日確認する
  • 食事の時はテーブルに置かない
  • 集中したいときは近くに置かない

などを実践しているそうです。

サラダ記念日 | 俵万智

『「この味がいいね」と君が言ったから七月六日はサラダ記念日』
という非常に有名な短歌が収録されている、俵万智の歌集です。

日常の瞬間が、とても素敵な言葉で切り取られているのがとても好きだったと語っていました。

紹介者の方は、恋愛に関する短歌が好きでよく読むそうなのですが、俵万智の短歌は優しい雰囲気で読まれるため、特にお気に入りのようです。

参加された方の感想

参加後の感想を一部掲載します。
アンケートにご協力いただき、ありがとうございました!

読書会に参加したのは初めてだったんですが、みなさん優しく話しかけてくれて安心して本を紹介することができました。また、自分が普段読まないようなジャンルの本を知ることが出来てよかったです!

24歳女性

聞いてる人もリアクションして下さって話しやすいです!

30歳男性

皆さんの本への情熱が伝わってきて楽しかったです。

25歳女性

読書会後のランチ

いつもどおり読書会後にそのままカフェでランチをしました。

24名の方がランチに参加してくれました!
(2名ランチから参加しました!笑)

和風パスタ、リゾット、パンなどおいしい料理をたくさんいただきました!
中でもコーンが乗ったパンが大人気でした!

いつもありがとうございます〜!