第22回 読書会「本と旅人」開催報告
2024年5月19日(日)に神田のカフェ「COLAZIONE VARIO」で22回目の読書会を開催しました。
今回は21名の参加でした(うち、初参加は6名でした)。
今回も多くの方にご参加いただき、ありがとうございました!
もくじ
本日紹介された本
小説、実用書、写真集など、いろいろなジャンルの本が紹介されました。
運営のテーブルで紹介された本の一部をご紹介します。
白夜行 | 東野圭吾
ある迷宮入りした殺人事件について、容疑者の19年にも及ぶ逃亡生活を、当事者以外の様々な関係者の視点によって描かれたミステリーです。
主人公の心理描写がほとんどなく、周囲の視点から事件や主人公の行動が語られる構成が面白いとのこと。
ドラマでは、小説で描かれなかった心理描写がされており、違った楽しみ方ができるそうです。
紹介された方は、
「ストーリーに重きが置かれているようなミステリー作品なのに、表現が面白いから何度でも読み返してしまう。
切り絵のはさみが出てくるシーンがとても印象的で、自分も切り絵をはじめました」
とおっしゃっていました。
ミッキーマウスの憂鬱 | 松岡圭祐
ディズニーランドのアルバイトを始めた主人公が、華やかな表舞台とは真逆な、残酷さすらある裏側の事情を知るようになる物語です。
フィクションですが、キャストの仕事や人間関係など、夢の国の裏側を細かく描写していて面白い作品だったそうです。
紹介者の方は、
「フィクションではあるが、普段は見ることができない世界を覗き見ることができて面白かった。
表舞台だけでなく、バックヤードでも夢の国のキャストらしい振る舞いをしようと変わっていく様子に、夢の国で働く人たちのプロ意識を感じた」
とおっしゃっていました。
変身 | フランツ・カフカ
虫になってしまった主人公とその家族の関係を描いた小説です。
元々は主人公に頼りきりだった家族が自立していくにつれて、主人公は邪険に扱われてしまうというストーリーです。
紹介された方は、
「主人公をかわいそうだと思わせない書きぶりが面白かったです。
相反する状態の間に生まれる感情が見事に描かれているところが好きです」
とおっしゃっていました。
思いがけず利他 | 中島岳志
「利他的」とは何かについて議論を展開した本です。
筆者によると、ある行為が利他的であるかは、受け手が決めるものであり、それは行為の後で判断されるそうです。
紹介された方は、
「利他的な行動は思いがけずしてしまうもので、狙ってしようとした時点でそれは利己的な行動になってしまいます。
そこに利他的になることの難しさがあると思います」
とおっしゃっていました。
阿房列車 | 内田百閒
著者が行った、用事のない鉄道旅行の様子を描いた作品です。
大きな事件は起こらないが、乗客同士で繰り広げられる会話や反応、微妙な人間関係のいやらしさが描かれているようです。
紹介された方は、平田オリザ脚本の芝居を見て、原作を読もうと思ったそうです。
紹介された方は、
「会社で偉い人が話すときに生まれる微妙な緊張関係のおもしろさを再確認しました。
偉い人が不意に出す失言、そしてその失言を取り繕うように言葉がむやみに重ねられていく感じ。
時既に遅く、泥沼にはまってしまうような状況は恐ろしくも滑稽だな、と感じた」
とおっしゃっていました。
頭の良さとは何か | 中野信子, 和田秀樹
脳科学者・評論家の中野信子と精神科医の和田秀樹が、頭のよさとは何かについて迫る対談です。
「1つのものを多角的な視点で考え、様々な仮説を立てられる」ことが、頭の良さの重要な要素として紹介されているそうです。
紹介者の方は、
「パイロットは、マニュアル通りに的確に操縦するよりも、臨機応変な対応ができる方が優秀と評価されやすい」
という話が印象的だったそうです。
頭の良さには、どのような要素があるかについて議論が盛り上がり、
- 生活力が高い(効率よく行動できる)
- 物事を広く、深く掘り下げることができる
- EQが高い
- 記憶の引き出しの数が多く、かつ引き出しをうまく扱うことができる
などが挙げられました。
イライラ・不安・ストレスがおどろくほど軽くなる本 | 内藤誼人
ストレスや不安を解消するためのノウハウ、またそれらと向き合うための考え方が書かれた本です。
ノウハウは、運動や日記など、実践しやすいものが紹介されていてためになったそうです。
紹介者の方は、
「不安やストレスが身近にあるようなことが多かったため、この本を手に取りました。
『小さいストレスは当たり前だと受け入れて耐性を付けよう』、『ストレスをためてしまう自分も許そう』というようなストレスに向き合うための姿勢が印象的でした」
とおっしゃっていました。
「写真」Sha Shin Magazine: フェイス Faces (vol.5) | ふげん社
写真家の金川晋吾の作品が紹介されています。被写体は、金川、映像作家の斉藤玲児、映画監督の百瀬文、百瀬の恋人の四人です。
映画監督の百瀬文と、ともに生活する金川と映像作家の斉藤玲児、そして現在の百瀬の恋人を映した作品です。
紹介された方は、
「自分の知らない共同体もあり方を知ることができました。
それぞれがお互いに情を持っていることが伝わってくるような作品です」
とおっしゃっていました。
他の参加者の方からは、
「全員がアーティストだからこそ成り立っている関係なのではないか」
というコメントがありました。
参加された方の感想
参加後の感想を一部掲載します。
アンケートにご協力いただき、ありがとうございました!
色々な方の本の話を聞けてとても楽しかったです。
27歳女性
写真集など、自分では読まないような本を知るきっかけになりました。
22歳女性
自分が好きな本を他の人が紹介しているのを見るのも嬉しくなるので好きです。
新規参加の方もとても楽しんでいたと思います。
29歳女性
毎回雰囲気がいいので私も楽しんでます!
読書会後のランチ
いつもどおり読書会後にそのままカフェでランチをしました。
(写真を取り忘れてしまいました、、、)
18名の方がランチに参加してくれました!
大きなチキンカツに盛り上がりました!
いつもありがとうございます〜!