第13回 課題本型読書会 開催報告

2025年11月2日(日)に神田のカフェ「COLAZIONE VARIO」で課題本型の読書会を開催しました。

今回の課題本は金原ひとみの『ミーツ・ザ・ワールド』で、14名の参加でした!

また今回は読書会後、公開されている映画もみんなで鑑賞して、感想共有や原作との違いについても話しました!

ご参加いただいた方、ありがとうございました!

今回の読書会の形式

今回は5〜6人のグループで課題本を読んだ時の感想共有、気になるテーマの話し合いを、前半と後半でグループを組み替えて2回行いました。

『ミーツ・ザ・ワールド』は、オタク女子・由嘉里が、合コン帰りに酔いつぶれて立ち寄った歌舞伎町で、消えたいという願望を抱えるキャバ嬢・ライと出会うところから始まります。

ライと暮らしを共にし始め、不安定なライを支えようと奔走する主人公。

ライや歌舞伎町の人々との関係を通して、自分の生き方を見つめなおしていく話です。

今回の読書会では、ライやその他周りの人物はどういう存在か、また主人公にとってどういう立ち位置になっているかを議論することが多かったです。

個人的には、なぜ主人公はライに執着するのか、というテーマが面白かったです。

(本当に個人的には、ライを含めた、主人公の周りの人たちは友達なのか?仲間なのか?はたまた名もない関係なのか?という点から発展して、「友達」と「仲間」という言葉の差異を考えるのが楽しかったです。)

その他、運営メンバーのテーブルで議論されたテーマを一部紹介します。

  • 主人公がライに執着する理由
  • みんなの「生きる」をつなぎとめているものは?
  • 友達と仲間を分けるもの
  • 主人公は、物語の始めと終わりでどう変化したか?

参加された方の感想

参加いただいた方の感想を一部掲載します。

アンケートにご協力いただき、ありがとうございました!

【課題本を読んだ感想】

自分の価値観と向き合ったり過去の出来事などを思い出して久々に感情をしっかり動かされた感覚があった。

今だから向き合えることや今だから見えるものがあるのかもしれないと思った。

32歳女性

フィクションとして、こんなキャラたちに囲まれて自分らしく生きていけたら素敵だなと思いました。

全体的にほっこりした雰囲気に感じましたが、ユキという金原ひとみさんっぽい女性が好きです!

34歳女性

「蛇にピアス」と「アンソーシャルディスタンス」を読みましたが、後者は特に不完全燃焼でした。

今回の課題本の方がまだ咀嚼できた気がします。

女性

【読書会を終えて、課題本について改めて感じたことは】

ゆかりとあさひの関係とか、ユキの価値観とか、自分では注目してなかったことを話し合えました。

この本は、消えること、消えたこと、失ったことをポジティブにとらえられる作品だなと思いました。

女性

時間が経ったらまた読みたい。自分の状態によって感想や気持ちが変わる本だと思った。

24歳女性

小説を読んで映画に行く体験が新鮮で楽しかった。小説と映画では皆の着眼点が違っていたのが印象深い。

小説だと人物の心情考察に偏りがちだったが、映画だとメタファーや表現に対する考察が多かったような気がしてその違いが面白かった。

女性

読書会後のランチ

読書会後にそのままカフェでランチをしました。

19名の方がランチに参加してくれました!

いつもありがとうございます!

みんなで映画鑑賞

新宿バルト9で、そのまま映画鑑賞をしてきました!

杉咲花の演技が最高によかったです、ご飯を食べさせたら右に出るものはいない...

その後、感想共有会を行いました。

原作を読んで読書会をした後すぐに映画を見ることで、世界に入り込めたまま鑑賞できるので解像度が高まるという意見がありました。

一方で、読書会をしてすぐだと、原作に対する思い入れがありすぎて映画に求められるハードルが上がってしまうな、、という意見もありました。

そういう意味では、今度は映画→原作という順序で企画してみたいと思いました!