第2回 美術鑑賞会 東京都現代美術館 「ホー・ツーニェン エージェントのA」「翻訳できない わたしの言葉」

2024年6月23日(日)の読書会の後に12名で、清住白河の東京都現代美術館で行われている特別展

・「ホー・ツーニェン エージェントのA」
・「翻訳できないわたしの言葉」

に行ってきました!

特別展「ホー・ツーニェン エージェントのA」
特別展「翻訳できないわたしの言葉」

2024年7月7日(日)まで開催予定です。

あいにくの悪天候でしたが、館内には大勢の人がいて、人気のある展示だということを再認識しました。

「ホー・ツーニェン展 エージェントのA」

シンガポールで活動するアーティスト、ホー・ツーニェンの個展です。

シンガポール、ひいては東南アジアにまつわる歴史や思想を、写真や映像、インスタレーションで表現しているものが多かったです。

難解なものが多く、勉強不足だった私は踏み込んで理解することはできませんでした...

しかし、作品の色彩がきらびやかだったり、映像が独特の質感を持っていたこと、またモチーフが軽やかに描かれていたり、

そのモチーフが私の既存の理解では及ばない不思議な配置をとっていたことから、妙なポップさを覚えました。

また、作品の読解に苦しんでいる最中に、次の映像展示から漏れ出てくる低音やサックスの音が耳を刺激してくる箇所もあり、

その刺激によって、私の中の、「わからないもの」に対する漠然とした不安が膨らむことを感じるような、奇妙な体験をしました。

「翻訳できないわたしの言葉」

ユニ・ホン・シャープ、マユンキキ、南雲麻衣、新井英夫、金仁淑の5人のアーティストによる展示です。

世界には多様な言語があり、1つの言語をとっても人によっては使い方や捉え方が異なるというような、言葉の複雑さや幅の広さを感じられるような展示でした。

また、「わたし」の体の中から沸々と浮かぶ言葉になる前の言葉に目を向けるという、身体性がテーマの展示でもあると感じました。

特に、会場に置かれた水枕に触れたり体に乗せたりすることができる作品があったのですが、これが身体性に目を向けるきっかけになりました。

水枕を掌の上に乗せることでその重みを享受する私の体の輪郭を捉え直すことができたことに加え、

私の指先が触れることで水枕が上下左右奥手前に動くという、無機物にさえどうしようもなく身体性が宿る瞬間に遭遇しました。

私の指が水枕を揺らし、水枕が私の掌で踊る、その弾力のあるステップを私の掌が感じる一連のフィードバックから、この世のあらゆる「縁」を想起させる力を感じました。

とても楽しく、実りのある時間を、読書会のメンバーと過ごすことができました!

興味のある方はぜひ行ってみて下さい!