第1回 あおぞら読書会 井の頭公園

2024年10月13日(日)に「あおぞら読書会」と題しまして、屋外での読書会を井の頭公園で開催しました。

今回は23名の参加でした。

今回も多くの方にご参加いただき、ありがとうございました!

本日紹介された本

小説、実用書、エッセイなど、いろいろなジャンルの本が紹介されました。

以下、運営のグループで紹介された本の一部をご紹介します。

図書館の魔女│高田大介

主人公と図書館の魔女となった少女との話を描くファンタジー小説。シリーズとして現在は4巻まで出ています。

紹介者の方曰く、設定がものすごく作り込まれており文章も固めなため、その分最初読み進めるのは大変とのこと。

本作を読んだ人に出会うと、「お互い頑張ったな」と思わず握手したくなるという話がとても印象的でした。

ただ、一度山を越えてしまえば、和と洋が入り混じったような魅力的な世界観や、楽しめるとのことです。

ある人殺しの物語 香水│パトリック ジュースキント

匂いの天才である主人公が、自身の追い求める匂いを手に入れるために殺人を犯す物語。

紹介者の方は曰く、求める匂いを保存するための殺人方法が秀逸さや、匂いの表現の幅広さに感心したとのこと。

また、主人公を軸にしてその周囲を取り巻く人たちに主な焦点が当たる物語構成で、主人公の心情があまり表に出てこないのも印象的のとことでした。

紹介者の方は本作の影響で、匂いや味など違いを具体的には言い表しにくい物の表現を蓄えたいと思ったとおっしゃっていました。

円 劉慈欣短篇集│劉慈欣

『三体』で知られる作者のSF短編集。

十篇以上の話が収録されており、さまざまな設定のSFを気軽に楽しめるため、『三体』は長くて中々手が出ないという方でもおすすめとのこと。

紹介者の方は、中でも表題作の『円』と『鯨歌』がお気に入りらしく、私は『鯨歌』の話をうかがいました。

SFの形式をとりながら、人間の本質的なことに言及するような内容らしく、作者の技術に対する思いが感じられるような短編とのことです。

ディス・イズ・ザ・デイ│津村記久子

架空のサッカー2部リーグチームの、サポーターたちの生活を描いた短編集。

紹介者の方自身もあるサッカーチームのサポーターで、そのことから本作を紹介されて手に取ってみたようです。

本作はサポーターの気持ちをかなり緻密に描けているようで、紹介者の方は「サポーターのあるあるが多くて、共感できる箇所が多い。サッカーを見ることで何かが劇的に変わるわけではないけれど、日々を前向きに暮らせるきっかけになるような感覚はとても共感できる。」とおっしゃってました。

本日のハイライト

運営メンバーのグループで、フリートーク中や本の紹介の流れで話題になったトピックを一部紹介します。

難解な文学との向き合い方

読みづらく難しい文学との向き合い方の話。

会話の中で「修行だと思って読む」という表現出て、それがとても印象的でした。

個人的には難しい文学でも、時間を置いてから読んでみるとわかったような気がすることがあるので、そのような文学に触れるタイミングが重要なのかなと思ったりしています。

読了できなかったSF小説

グループ内で読了できなかったSF小説を出し合い、「読めたら教えてください!」と言い合う話の流れに。

話題にあがったSF小説は以下の通りです。

  • 天冥の標シリーズ
  • 虚無回廊
  • 順列都市

読んだことがあるという方は、はぜひ本読書会で感想をお聞かせください〜。

あおぞら読書会の様子

進行自体は普段の読書会と変わらずでしたが、天気の良い中でブルーシートの上ということもあり、普段よりもまったりした雰囲気の読書会でした。(中には寝転びながら話している人も)

私にとっては初めての井の頭公園だったのですが、露店を出している人がいたり、バイオリンやアコーディオンの路上演奏をしてる人がいたりなど、活気溢れていて良いな〜って感じでした。