第63回 読書会「本と旅人」開催報告

2025年9月7日(日)に神田の「COLAZIONE VARIO」で63回目の読書会を開催しました。

今回は26名の参加でした(うち、初参加は6名でした)。

今回も多くの方にご参加いただき、ありがとうございました!

本日紹介された本

小説、エッセイ、実用書など、いろいろなジャンルの本が紹介されました。

以下、運営のテーブルで紹介された本の一部をご紹介します。

センス・オブ・ワンダー│レイチェル・カーソン

『沈黙の春』で知られるカーソンが、自然の中に身を置き、ただその存在を感じることの大切さを綴った一冊です。

紹介してくださった方は自然豊かな田舎のご出身で、とても共感する部分が多かったとのこと。

幼いころに持っていた感性が失われつつあることに気づき、それを取り戻したいと感じられたそうです。

一方、同席していた東京出身の参加者の方は「自分も読んだが、ピンと来ない部分もあった」と話されていて、幼少期の原体験によって本の受け取り方が大きく変わる点で盛り上がりました。

舞台│西加奈子

太宰治『人間失格』を愛する29歳の主人公が、初めての海外でニューヨークへ行くも、盗難で無一文になり、羞恥心から人に助けを求めることもできず彷徨うことに……というお話です。

嫌っていた父親が死に際に残していたのが、死に向かっていく尊さを書いた手記と、地球の歩き方「ニューヨーク編」という対照的な二つであったのを見て、人間味を感じて父を受け入れるというエピソードが、聞いていてとても印象的でした。

紹介者の方にとって、この本は「バイブル」と呼べるほど大切な一冊だそうです。

おくりものはナンニモナイ│パトリック・マクドネル

主人公・ムーチ(猫)は、何でも持っている友人・アール(犬)に贈り物をしようとしますが、アールの答えは「ほしいものはなんにもない」。

ムーチは「ナンニモナイ」を探す旅に出ます。しかしいろんな場所を探しても「ナンニモナイ」は見つからず…

最終的にムーチが選んだ贈り物に思わずうならされました。

紹介者の方が冒頭部分を読み聞かせてくださったのですが、とてもお上手で、ムーチとアールの友情に思わず涙腺がゆるんでしまいました。

ちなみに紹介者の方は、実際にこの本をご友人へプレゼントされたとのこと。

こんな作品を友達からプレゼントしてもらったら、一生の宝ものになりそうです!

世にもあいまいなことばの秘密│川添愛

読み方次第で、意図せずに「誤解」を生む例が集められた一冊です。

たとえば「私には双子の妹がいます」は、本人が双子の姉なのか・それとも妹が2人いるのか?「東野圭吾さんのおすすめの小説」の推薦者は誰?…

など、多くのズレが身近な例で示されており、言葉を意識して使いたくなります。

テーブルでは「あるある!」「たしかに」との声とともに、「SNSの炎上も、字数制限がある中で、悪意を持って言葉尻を取る人もいるから?」と話が広がりました。

紹介者の方は「日本語はなんとなくの慣例やルールがあって、そこが難しい」と仰っていました。

本日のハイライト

運営メンバーのテーブルで、フリートーク中や本の紹介の流れで話題になったトピックなどを一部紹介します。

本は見た目が大事

やっぱり本は見た目が重要だよね、という話が上がりました。

あらすじなどがネットやpodcastで紹介されたことをきっかけに本を買うことも多いですが、本屋で偶然見かけた本をジャケ買いしてしまう喜びもひとしおですよね。

また、この作者といえばこの装丁、という黄金の組み合わせもあるよねという話もありました。作者の顔にもなりうる絵、大事ですね。。

参加された方の感想

参加後の感想を一部掲載します。
アンケートにご協力いただき、ありがとうございました!

いい本、いい人に出会えました。

29歳女性

自分の本に対する深掘り、他の人の本の内容・感想が聞けて面白かったです。

26歳男性

次に読む本が見つかりました!自分が読まないジャンルの本をたくさん知ることができてよかったです。

35歳女性

読書会後のランチ

いつもどおり読書会後は、そのままCOLAZIONE VARIOでランチをしました。

22名の方に参加していただきました。

いつも以上に豪華でおいしいパンばかりで、お替りを積み重ねました!!

いつも美味しい料理ありがとうございます〜