第49回 読書会「本と旅人」開催報告

2025年4月13日(日)に大手町の「KAITEKI CAFE」で48回目の読書会を開催しました。

今回は36名の参加でした(うち、初参加は11名でした)。

今回も多くの方にご参加いただき、ありがとうございました!

本日紹介された本

小説、エッセイ、実用書、漫画など、いろいろなジャンルの本が紹介されました。

以下、運営のテーブルで紹介された本の一部をご紹介します。

ピエタとトランジ | 藤野可織

天才的な女子高生探偵トランジと、彼女の才能にほれ込んで助手をするピエタの、女子高生バディものの小説です。

トランジは殺人を誘発するコナン君のような人物らしく、自分の周囲で人が死んでいくことに苦悩もしているようです。

各章ごとに事件が起こるミステリー仕立てですが、文章の雰囲気は純文学に近いみたいです。

トランジの殺人体質がほかの人に移ることもあるようで、内容が気になってしまいました。

数名が事件の被害者になるくらいを想像していたのですが、どうやら人類が滅亡するかもしれないレベルのスケールで死人が出るみたいで驚きました。

カフネ | 阿部暁子

本屋大賞をついこの前受賞した小説です。

大事な弟が急死してしまった姉・薫子が、元恋人のせつなとの交流を通して心が救われていく、といった内容のようです。

心がぼろぼろになった状態の薫子は、せつなから家事代行サービス「カフネ」の仕事の手伝いをお願いされ、食を通して心が柔和されていく。

そこで現れる料理の描写が素晴らしく、温かい気持ちになれたようです。

紹介者は本屋大賞のほかノミネート作もいくつか読んだようですが、大賞に選ばれたのが納得できるほど面白かったようです。

家事のような、生活に密着した、というか生活するということそのものが心に何か影響を与える話が好きなので、読書会後に近くの本屋で速攻買いました。

目の見えない白鳥さんとアートを見に行く | 川内有緒

全盲の白鳥さんと美術館に行って、絵の内容を説明する様子が描かれた、ノンフィクションの本です。

目の見える人が絵の内容を説明することで、絵を見る感覚がどんどん豊かになるような話があるようで、とても興味深かったです。

美術館でキャプションばかり見てしまい、絵自体を見ることがおろそかになってしまう、といった話題は大好きなので紹介に引き込まれてしまいました。

ほかにも、白鳥さんは目が見えないことでまわりから「大変だね」「頑張らなきゃいけないね」と言われることが多かったようですが、自分は自分で幸せな人生を送っているのでそれらの言葉に違和感がある。

晴眼者(視覚に障害がない人)に合わせた価値観に疑問を持っているといった社会的な内容もあるようで、とても面白かったとのことです。

ちなみに、白鳥さん的にはピカソの絵の説明で混乱するみたいです。あの世界観を言葉で説明するの、至難すぎる。。

チョコレートコスモス | 恩田陸

演劇の世界を舞台に、二人の女性の才能と情熱が交錯する青春群像劇です。

1人は天才と称されるような演劇界のサラブレッド。もう一人は大学から演劇を始めたが演劇センスが抜群な女性のようです。

紹介者は恩田陸の数ある小説の中でもこの本が特にお気に入りのようで、恩田陸の原点と思ってしまうような印象があるようです。

特にこの本は、ボロボロになってしまうくらい何度も読み返したとのことです。

芝居がモチーフになっていることもあり、作中作の中で演技をするシーンが多いみたいです。

作中作は現実と虚構の区別があいまいになり、自分が今いる場所がわからなくなってしまうような不思議な感覚が得られる、という話題になり、自分の好みのテーマだったので聞き入ってしまいました。

現実と作中作(フィクションとノンフィクション)のはざまで右往左往してしまうような、恩田陸の小説だと「灰の劇場」もとても好きです。

作中作もので一番好きなのは、映画ですが「PERFECT BLUE」です。

本日のハイライト

運営メンバーのテーブルで、フリートーク中や本の紹介の流れで話題になったトピックなどを一部紹介します。

どんな付箋を使ってる?

本を読むときに、目印として残す付箋はどんなものを使っているかという話題になりました。

紙のもいいけど、フィルムタイプのほうが使いやすくていいという意見に完全に同意しました。

また、付箋のケースを本に貼れるようなものもあり、付箋のストックが常に本と近い場所に用意できるようなものあることを知りました。

読みたい本を携えて外出したのに付箋を忘れてしまった日には、めちゃくちゃ萎えてしまうので、とてもいい商品だなと思いました。

お仕事本の解像度

仕事をテーマにしたような小説について、実際その業界で働いていると微妙に現場とずれているな、、と感じることがある、という話になりました。

でもその中でも、「ハケンアニメ!」のような辻村深月の作品は、調査量が多いのか解像度が高い!という意見がありました。

いろんな業界のいろんな職種の人が集まる読書会だからこそ、こういう話が聞けるのはおもしろいなと思いました。

参加された方の感想

参加後の感想を一部掲載します。
アンケートにご協力いただき、ありがとうございました!

自分が絶対選ばないジャンルの紹介をしてもらえて、世界が広まった。

26歳男性

読書会自体初めての参加で緊張していましたが、皆さんフランクにお話してくださったので楽しめました。

27歳女性

たくさんの方とお話しできて普段自分が読まない本を知ることができ充実した時間を過ごせました。

女性

読書会後のランチ

読書会後はそのまま「KAITEKI CAFE」でランチをいただきました。

27名の方がランチに参加してくれました!

種類の豊富な料理がたくさん並べられていて欲望が爆発し、4回お替りして大満腹でした!

ありがとうございます!