第74回 読書会「本と旅人」開催報告

2025年11月30日(日)に飯田橋の「ニクバルクオン」で74回目の読書会を開催しました。
今回は33名の参加でした(うち、初参加は4名でした)。
今回も多くの方にご参加いただき、ありがとうございました!
もくじ
本日紹介された本
小説、ノンフィクション、漫画など、いろいろなジャンルの本が紹介されました。

以下、運営のテーブルで紹介された本の一部をご紹介します。
道具づくし|別役 実
現在では使われていない昔の道具について、さも事実かのように紹介しているニセの道具紹介本とのことです。
全てがフィクションなのにそれっぽく書かれていて、実際にそんな道具があったら面白いな、こんなのあったかもしれないよな、と楽しく読んだと仰っていました。書き方も本物のレポートと同じように引用されていたり、現在あるものの語源に関わるところまでフィクションで語っているので思わず騙されてしまいそうです。
紹介者の方が今回紹介してくれた道具の一つは、「おいとけさま」。この道具の使い道は、二人や三人で喋る際に気詰まりにならないよう置いておくためのものだそう。
『道具づくし』以外にも、『もののけづくし』や『虫づくし』などが出版されているので、そちらも気になっていると仰っていました。
超訳 ブッダの言葉│小池 龍之介
紹介者の方は、K -POPアイドルであるウォニョンが読んでいたことがきっかけでこの本を知ったとのことでした。韓国では、ウォニョンが読んだということで大変な人気になった本だそうです。
ブッダの言葉が、なるべく仏教用語を排除し、現代の私たちでもわかる簡潔な言葉でまとめられています。超訳ということで宗教色はあまりなく、とても読みやすいとのことでした。
過去や未来にとらわれがちだったため、今一瞬を生きることが大切だというメッセージの載っている箇所が心に響いたと仰っていました。生きていく中できっとお守りになるような言葉が詰まっているのでおすすめの一冊、とのことです。
プロジェクト・ヘイル・メアリー|アンディ・ウィアー
来年映画化が決定している本作品。紹介者の方は映画が大好きとのことで、映画化前に読みたくて手に取ったそうです。
著者アンディ・ウィアー氏は、映画「オデッセイ」の原作小説『火星の人』でデビューしています。同じSF作品で雰囲気も似ているため、「オデッセイ」好きな方は楽しめるのではないかとのことでした。
読み始め、主人公が記憶喪失で絶望的な状況にも関わらずとても明るいところが印象的だったそう。SFですが、理系知識がなくても謎解き感覚で楽しく読めるとのことでした。最後には、あまり本で泣くことのない紹介者の方も涙が出てしまったそうです。
ネタバレ厳禁なので映画の予告編も見ず小説から入ってほしいそうで、この本を読んでから他の本を面白いと感じないくらいハマったと大絶賛されていました。気になる方は是非、映画化前に読んでみてください。
クマにあったらどうするか│姉崎 等、片山 龍峯
アイヌ民族最後の熊撃ちである姉崎さんへインタビューしている本。熊のことだけでなく、アイヌ文化や狩猟生活について、実際の経験からその知見を伝えてくれるので非常に読み応えがあります。
ホットな話題の熊ですが、アイヌ語では「キムンカムイ」と呼ばれ、これは「里山の神様」といった意味合いだそう。近頃の熊問題は、人間と熊の生活の境目が曖昧になり、熊も都市化しつつあることで遭遇確率が上がっているようです。
そして一番気になる「クマにあったらどうするか」について、背中を見せて走らないことが第一優先と仰っていました。熊は走って逃げるものを見ると、本能で追いかけてしまうそうです。
その他にも熊へ対峙したときのベストな選択について、紹介者の方の身振り手振りも交えて楽しく話していただきました。
ただ、ここでの回避方法は全て、相手が人間に恐怖心を持つ一般の熊だった場合のみ有効とのこと。人間を既に餌や食事だと思っている熊に対しては太刀打ち不能とのことで、大変恐ろしくなりました。
本日のハイライト
運営メンバーのテーブルで、フリートーク中や本の紹介の流れで話題になったトピックなどを一部紹介します。
海外文学の話
海外文学は好きな方と苦手な方でだいぶ分かれるジャンルですよね。海外文学を読むハードルは何か、挑戦するならどんな作品がいいかという話になりました。
「海外文学苦手派」の苦手な理由としては、人物名などカタカナが頭に入らない、宗教などその地域の知識がないと楽しめない気がする、などの声が上がりました。特に前者は「海外文学好き派」からも、ロシア文学などは登場人物の名前が長くて聞き慣れないし、途中で呼び方が勝手に変わることが多くやめてほしい、と共感していました。
「海外文学好き派」からはおすすめの読み方として、お気に入りの訳者を見つけて訳者で選んで読むこと、古典作品などはまずジュニア版から挑戦すること、長編ではなく短編から入ること、などが挙げられました。
私は「海外文学好き派」なので、この読書会きっかけで海外文学への敷居が少しでも低くなると嬉しいな〜と思いながら楽しい時間を過ごせました。
短歌の話
世間の短歌ブームもあってか、読書会に来るたび短歌の話もしている気がします。
今回話題になったのは、短歌の口語と文語の話です。今は口語が主流の現代短歌ですが、やっぱり文語に惹かれるという意見がありました。
口語ならではの軽やかさや都会感溢れる歌も良いですが、古い日本語ならではの言い回しや枕詞などを上手く使っている作品はかっこいいよね、と盛り上がりました。
とはいえ普段馴染みがあるのは口語なので、現代人が文語で読む・詠むには勉強が必要だなとも感じました。
参加された方の感想
参加後の感想を一部掲載します。
アンケートにご協力いただき、ありがとうございました!
やっぱり参加すると読書意欲が上がります。
29歳女性
読書好きの方との交流ができ、自分の知らないジャンルの本をたくさん知れました。
23歳男性
自分では読まない本を知れて楽しかったです。タイムスケジュールも良く楽しめました。
未回答
読書会後のランチ

読書会後は、そのままニクバルクオンでランチをしました。
31名の方に参加していただきました。
ボリューム満点のポテトやパスタがとっても美味しかったです!
読書会中から良い匂いが漂ってきて、良い朝活になりました。
ありがとうございました!!

